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 中国の環境問題  宋 琳晶
 

 中国は現在「世界の工場」と呼ばれ、また来年(2008年)には北京オリンピックを控え、目覚ましい勢いで経済発展を逃げています。その一方で、水質・土壌汚染やゴミ処理問題など、様々な環境問題も目に付くようになってきています。国全体にわたる「都市化」が進み、かつて日本も経験してきたような環境変化が起こっているのです。しかし、日本と中国では、いろいろな意味でスケールが違います。ここでは、公開されている資料もとに、中国の環境問題について考えてみたいと思います。

  
 ○中国全体のごみ処理の現状
 現在、都市化と生活水準の向上により都市部から出るゴミは増えています。1998年の統計では、667の都市で1億4200万トンのゴミが発生しました(日本は約5000万トンです)。ゴミの量を年間7%のペースで増えるとすると、2012年には2億トンのゴミが発生すると予測されています。(「チャイナネット」2002/04/27) 現在、ゴミ処理・処分率は60%に留まり、処理やゴミ資源化の割合が低いため、ゴミ汚染は深刻さを増し、政府として積極的に取り組むべきの社会問題の一つになっています。たとえば、首都北京でも、市内日ゴミ発生量は10490トン郊外部日ゴミ発生量は4220トンで日処理能力10350トンを超えています。市内のゴミ無害化処理率は95.1%、郊外の無害化処理率は46.6%で郊外部のゴミ処理・処分が非常に遅れています。

 
 ○水質の現状
 
長江や黄河など世界的な大河川を抱える中国の総水資源は、総量では世界第6位です。しかし、一人当たり水資源総量は2277m3で、しかも、降雨量の季節偏在および年格差が大きいため、水資源利用の安定と効率向上が困難な状況となっています。
 表-1をみると、主要河川流域ごとの一人当たりの水資源量が全体的にも少なく、流域間の格差が大きいことがわかります。特に、中国を代表する大河川である黄河流域では、458(m3/年・一)にすぎません。私たちは、普段お風呂に約2m3の水を使用しますが、単純計算では229日分しかないということになります。
 
 
 
   
 国際協力銀行開発金融研究所(2004):
「中国北部水資源問題の実情と課題ー黄河流域における水需給の分析ー」81頁
 
 
○上海のゴミ処理の現状
  2001年のデータでは、上海の一日生活ごみは10000トン発生し、仮に毎年一人当たり10%増えると、2006年には年間ごみ発生量は600万トンになります。
 2002年時点で県、区、村の生活ごみ処理場が1349箇所があり、汚染に関するデータが公開されていないために詳細は不明ですが施設や処理技術や管理技術が低く処理場周辺の環境汚染が深刻になっています。
 そこで、上海では中国初の大規模ストカー方式ごみ発電プラント(EU排ガス基準採用)を建設しました。1日あたりの焼却能力は1500トンです。

 
 ○上海の水質汚染の現状
  上海は水の都でもあります。上海市内に大小約32000Kmもの河川が流れています。日本の利根川が322Kmですから、約100倍近い長さになります。水域の面積は市域の11%(約70Km2、川崎市の約半分)に達しています。
  しかし、汚染により飲用可能な水資源は地表水の20%しかありません。一人当たり水量は世界平均の10%程度です。また、河川が汚染されるということは、汚染水の注ぐ海も当然汚染域が広がることになります。
 
  
 
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