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第4回 斜面テクトニクス 国際会議
 ・日本における活断層からの距離と斜面崩壊の規模との関係 発表者:稲垣秀輝
 
Relationship between distance from active fault and scale of landslide in Japan
    日本は、地殻の変動帯に属し、多くの活断層がある。活断層の種類は正断層、逆断層
  横ずれ断層である。活断層が動く時、多くの斜面崩壊が活断層の周辺で起こる。2011年
  いわき地震(正断層)、2014年長野県北部地震(逆断層)と2016年熊本地震(横ずれ断層)
  の3つM7クラスの内陸直下型地震を研究した。さらに、四国の中央構造線を対象としたM8
  クラスの地震と、M9クラスの2011年東日本大震災(海溝型)の地震を研究した。
    その結果、斜面崩壊の規模と活断層から距離の間には、対数的減衰関係があることを
  明らかにした。しかも、その減衰の傾向は活断層の種類によって異なる。また、地震のマグ
  ニチュードが大きくなると、斜面崩壊が起こる活断層からの距離が大きくなることも明らかに
  なった。
 ・バランス断面法を用いた弾塑性有限要素解析手法による岩盤地すべり解析
 
瀬崎正太郎、小坂英輝、大野博之(環境地質)、若井明彦(群馬大学)
  Geotechnical analysis for landslide by using the Elasto-Plastic Element Analysis
  by FEM considering Cross-Section Balancing Assessment
 
   岩盤地すべりにおける重力変形からすべり面形成に至るプロセスは、構造地質学で発展し
 た。バランス断面法によって再現可能と考えている。一方、有限要素解析の進展も近年目覚
 まく、地すべりの数値シミュレーションも可能となってきた。筆者らは、岩盤の重力変形でのす
 べり面形成を含めたプロセスを、バランス断面法の考え方を有限要素解析に用いて再現した
 。これにより、地すべり地形を考慮するだけでバランス断面法を用いた弾塑性有限解析手法
 により地すべりの内部構造が明らかになる可能性がある。
   特に、有限要素解析においてバランス断面法で示す座屈やたわみを再現することが可能で
 ある。これにより、岩盤地すべりの前兆を捉える事がこれまでよりも容易に行える可能性が示
 唆された。
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